足柄地域の暮らしと環境を考える会

南足柄市の自然条件を活かした循環型社会を模索する事を目的として活動している会のブログです。

足柄地域の暮らしと環境を考える会会報103号

桧山林道工事現地説明会 7月14日(金) 13時15分、市役所前集合

 当会の前身・「緑と水源を守る会」が反対してきた林道が、来年、いよいよ開通 !

 毎年の工事説明会も、来年で最後。 標高800ⅿの涼風の中で、当地の森林を考えましょう!

 平成元年から工事が始まった桧山林道は、明神と金時をつなぐ狩川主流の源流部を横断するコースで、当山地でも良い自然林が育っている地帯です。ブナやカエデの広葉樹が古い人工林(官行造林)を侵食した林分や、それらを伐って「森林つくり公社」が植林した若い人工林があります。片道1時間はかかる山の中へマイクロバスで、県森林部の案内で行きます。県の方々と立場は違いますが、「豊かな森林」を望む気持ちは同じ。いろいろ話合い、学び合う機会にしましょう。定員10名ですが、初めての方優先参加希望はお早めに、スワベ迄

外来生物はなぜ増える?-市内にゲンノショウコは健在ですか?

 4つの港で、ヒアリという南米系の有害な蟻が見つかったとか、ほかにもセアカゴケグモとか、伝染病を媒介する蚊とか、病原菌など、外来生物の侵入が盛んです。当地でも、外来植物種がここ急に増えているのが気になっていました。正月にSさんがくれた七草粥」野草にゴギョウ(ハハコグサ)として外来種のチチコグサモドキ(毛布のような茎葉がハハコグサに似ている)が入っていたのです。驚いて1月に近辺を見て歩いたら、なるほどハハコグサは少なく、外来種が幅を利かせていました。でも、4月にはハハコグサもあちこちで咲いてホッとしたのですが、外来種は始終花が見られるシタタカ者!ハハコグサは花期が決まった律義者?今後どうなるか? 次に気になるのは、ゲンノショウコに似るが葉の切れ込みが深く、一足先に小型の花を付けるアメリカフウロの急増です。昔から利用されてきた薬草に取って代わるのでは?と心配です。「なぜこんなに外来種が増えたのだろう?」と農家のKさんに話したら「輸入穀物を飼料にした畜産の堆肥を使っているからでは?」とのこと。農産物輸入自由化は、農業や食生活だけでなく、自然をも急速に変えつつあるのです。今、農政に起こっていることを考えよう!

南足柄市小田原市・2市合併」について考える  その1

Ⅰ.小田原市南足柄市中心市のあり方」に関する任意協議会、第6、第7回傍聴資料から:

 5月30日(火)13:30~、南足柄市文化会館小ホール、2回の休憩を入れて18時過ぎまで!配布資料はA4版で厚さ2cm以上!920g!とても通読できないけれど、「一つ位は読んで、「合併」のシミュレーション」を見てみよう」と思い、「補助金交付金等の取扱いについて」という、第6回(A3版33ページにわたる 142事業)と、第7回(34ページにわたる 98事業)の表をまとめてみました。ここでは両市の補助金事業の合併後の取扱いが、次表のような5通りに調整されています。

調整案→

事業↓

①   現行通り

②   小田原市の事務処理方式適用

③   南足柄市の事務処理方式適用

④   新たな事務事業に再編

⑤  廃止するもの

イ.両市に共通のもの

26件

56件

3件

8件

4件

ロ.小田原市独自のもの

38件

53件

0件

1件

11件

ハ.南足柄市独自のもの

13

0

1

1件

24

 南足柄市独自の事業件数は少ないのに、その多くが「廃止」に入れられています!

 任意協議会では、全部で240件(両市共通97件、小独自103件、南独自39件)のそれぞれについて調整案が読み上げられ、協議委員もろくに読めない審議の速さの下、特に異議がなかったから承認されたようです。

 存続するものには、小田原市独自の商店街や、農林水産業、工芸や文化などの産業振興への補助金30件以上あり、それらに対応するのは南足柄市では金太郎まつり酔芙蓉農道などわずか5件ほど。この5件を盛り立てて観光をはじめとする産業の活性化がわが町の将来だなんて!これが民間活力の競争原理で、商売気のある所に資金を配るやり方かと思う一方で、企業城下町南足柄市は、企業依存の無為無策を反省すべきと思いました。特に当会は、小田原市より山林面積が多い南足柄市の特性を、産業につなげる努力を望んできましたが、県の水源ゾーン指定の当市の山地は、またしても(明治の官行造林以来)県の管理の下に置かれ、地元の活力の対象にならないのは長い目で見て問題と思います。水源の町を誇るなら、明治まで入会地として生活資材の恩恵を受けてきた水源の山林を見直し自らの手で守り、次代に伝えるべきと思います。当会が桧山林道に反対して来た所以です!

 さらにいえば、暫金時推進協議会助成金・自主的防犯ボランティア補助金は合併後の市全域に拡大することは難しいから廃止して費用削減とか!続く民間保育所関係や放課後児童健全育成事業や特別支援学級の宿泊学習などの廃止は、格差拡大の折に、せめてもの弱者救済を切るものではないだろうか?このように補助金だけ見ても、要領よい者(これが民間活力?)優先で、ささやかな地域の善意や努力に無情です。下に「廃止する」とされた南足柄市関係の26事業の名称だけ挙げておきます(一部の名称で字句省略)。

 交流促進賑わい創出事業補助金、交通指導隊活動助成金、暫金時推進協議会助成金、ウルトラ元気な街づくり助成金、市更生保護女性会補助金、戸別受信機設置補助金、金太郎ウォーク補助金、社会教育関係団体等補助金、自治会公民館等維持管理事業補助金、高齢者健康に関する事業補助金、神奈川県柔道整復師支部補助金、食生活改善推進団体支部助成金、民間保育所児童用一般生活費補助金ほか保育所関係3件、市保育士会運営費補助金、放課後児童健全育成事業運営費補助金ほか関係1件、特別支援学級児童生徒宿泊学習補助金、市立中学校部活動協会等登録料補助金、市教育研究会補助金西湘地区教職員互助会補助金、市教育研究会各種事業派遣費補助金南足柄市立幼稚園預かり保育事業運営補助金、(お知らせ次回任意協議会は7月11日〈火〉13:30~小田原市役所で

Ⅱ.小田原市南足柄市との合併を考える市民集会 6月3日、市文化会館小ホール

2市合併を考える会」主催の集会は大盛況! 次回は8月5日(土)13時~、福沢公民館で

 ・「合併は地域に何をもたらしたか-合併の効果と弊害」静岡大学教授・川瀬憲子さんの講演

・「合併から10年、編入合併した地域は今」 相模原市議・野元よしみさんの経験談

を聞き、質問書での質疑があり、場内アンケートの回収率は50%以上! 記述回答は、「住民の声」を聴かず「中心市計画」が進められていることへの不満が大半で、昭和の合併の経験からの不安や、財政難で脅して性急に合併へ追い込むやり方への憤り、自分たちの町の将来は自分たちで決めたい!の声でした!

講演の要旨:

 合併の背景には、①財政難と人口減少時代への移行、②政府による構造改革(新自由主義徹底化-特に教育、福祉、医療分野の民営化)、③「上から」の強力な市町村合併推進策がある。

 一般に合併のメリットは行政の簡素化・効率化、行政サービスの質的向上、投資の重点化、広域的事業の円滑化、都市財政の拡大等。デメリットは政治的代表力の低下、域内格差や負担格差の発生、地域生活体系の崩壊、福祉・防災など身近な行政サービスの低下等。合併のパターン、合併した市での財政問題と、様々な例。以下略。

 経験談の抜粋:合併協議で大切なこと①人口減少や財政の悪化は、合併すれば解決する問題ではない

  • 「合併する」or[合併しない]で、何が出来るか。何を実現したいか。③合併協議で大切なことはお互いを尊重し新市を共に創る」という姿勢合併後のビジョンの共有次世代のため、頑張って