足柄地域の暮らしと環境を考える会

南足柄市の自然条件を活かした循環型社会を模索する事を目的として活動している会のブログです。

足柄地域の暮らしと環境を考える会会報106号:2017年10月24日

「9月例会」と、「合併についての講演会」報告

南足柄市再生可能エネルギーによる循環型社会を目指したモデル都市にしたい!

1回目:9月22日(金)13:30~17:00、(参加者7名)、市から配られた「2市合併説明のパンフ」と「説明会」についての話合い。財政難で合併が解決手段と言われるが、市の財政難改善の努力が見えず、納得いかない、市独自での再建を先ず考えるべき。山北町では、人口減は当市より進んでいると思われるが、前向きに頑張っていて、最近、都夫良野に県立自然公園が出来たし、町営の浴場施設が2つもある。その創意や努力に学ぶべき、などなど。

2回目:9月29日(金)17:00~20:00、(参加者8名)、Uさん(85歳)の話題提起、「市から配られたパンフには、お金の話ばかり、まるで身売りの合併に反対。一方で10年先の将来構想を持つべきと思う。そこで、「南足柄のビジョン(10年後の姿)」を例示してみた」と、プリントを用意され、それに沿ってお話されました。プリントの要約を、次に掲載します。

Uさんの提案「南足柄のビジョン(10年後の姿)」

  1. 無農薬、有機栽培農業の町にして、自然を取り戻そうー6次産業化法(2011年成立)や、農水省の補助事業を活用して、都会へPRし、農業従事者を市内外から募集する。農地提供、指導者確保、居住支援を行う。Uターン、Vターン者の雇用を生み出すために、加工、販売、流通を一体化した6次産業を興す。これらの事業を市がリードして進めるべき。
  2. 再生可能エネルギーのまち-太陽光発電、水力、バイオマス、地熱などが考えられるが、このどれからでも実働させれば、当市の特徴になる。市所有の建物、学校などにソーラーセルを付けるとか、電力自由化を活用して電力料金の引き下げを検討する必要がある。南足柄は水豊かで地形が急流を作っているので、小型水力発電が各所に作れる。
  3. 人口の増えるまち-最も効果のあるのは、①上記の1(有機農業の町)で、年少人口を増やすために、学校教育環境を大きく変える。小中一貫校化、教員の負担軽減と、質の向上が重要。定年後の高齢者の活用を制度化、部活動のレベル向上のため、学外の指導者を派遣する。②子育て世代の、20~39歳の声を市政に反映する。
  4. 日本トップレベルの防災のまち-(プリントにはH7~H23年までの4回の地震の経験に基づいて具体的なアドバイスが書かれていて、「大震災では、組力(自治会の)を発揮する。最小単位の活動が、市民の常識」とのこと。)

「再生可能な循環型社会を模索する」当会の目標を代弁されたような総論でした。迷惑至極な「2市合併」ですが、これをきっかけに、市民どうしの理解を深め、市内のいろいろな試みを交流して、自主的な「まちづくり」を提案、実行していきたい。立場や年齢により、見方が違うでしょうから、遠慮のない意見を交わしましょう。上記の提案へのご意見や、新たな提案や、関連情報などお待ちします。

 

2市合併について考える講演会 市町村合併地方自治のあり方」(講師:幸田雅治先生)

9月30日(土)、福沢公民館で上記の講演会がありました。講師は内閣官房審議官や自治省大臣官房国際室長…総務省自治行政局、総務省消防庁国民保護・防災部長などを歴任され、現在は神奈川大学法学部教授で平塚市情報公開審査会会長、国分寺市行政不服審査会会長、日弁連委員等、十指に余る役職を持つ弁護士。

市町村合併の背景(いくつか挙げられているが真の目的は行政改革、その進展状況結果の評価などを、豊富な現地調査の経験やデータから、詳しくお話頂きました。合併に対する評価は、よいものはほとんどなく、特に政治的発信力の低下が問題とのこと。石巻市の例では、旧石巻市(市議定数29)旧6町(98)合計127が合併で34になった後の市議選では、合併前に90%あった投票率が、合併後は60%に減ってしまった。地域のリーダーであった首長がいなくなることの政治的意味は大きい。など、国内外の実態と比較し、今回の南足柄市の実情を調べられた結果、住民自治の進展のためには、「合併と中核市推進」は問題とのお考えで、質疑にも、実際的で丁寧な助言を頂きました。

南足柄市では自治基本条例で市政への市民の参加を謳っていながら、各種市民懇談会も本当の市民の声を市政に反映する機会にはなっていません。今回の「合併問題」への住民の意思表示こそ住民自治を発揮する機会!一部アンケートで済まされないよう、全市民の意思を問う住民投票を求めて行きましょう! そのためにも署名よろしく!

 

秋の活動、10月例会の報告と、今後の予定

1.10月例会、10月20日(金)、18時~21時、飯沢の加藤宅(元あさひ屋旅館)、参加者:7名

中央大学名誉教授(農業経済学)で、かながわ自治体題研究所理事長大須真治先生を講師に「2市合併に関連して」のテーマでしたが、この問題は今までもあれこれ聞いているので、講演というより質疑応答での話合いになりました。

合併手続きについて:今、両市で有権者数の1割の市民へのアンケートが始まろうとしており、結果をどのように使うかには決まりがなく、法的にも合併は市長が決めて、市議会が承認する」ことになっているので、強行されれば、3月にも法定協議会が出来てそうなれば後戻りは効かないとか。

足柄下郡小田原市よりも、足柄上郡として1市4町とのつながりが強い所なのに、ほかの町には知らされずに2市だけ対象なのは問題では?など、まだまだ、周辺住民の疑問が残っている段階で、こんな拙速な「市の消滅決定」を、どうやって止めたらよいか? 

2.南足柄市のブナ林の調査に参加しませんか? 11月4日(土・3連休の中日)

狩川源流部には明治まで、6万本ものブナが生えていた!その名残のブナ林の今後は?

矢倉沢関所の要害林だった狩川源流部の約147町(町≒ha)には、明治まで、ブナ6万本余とシデなど7千本が林をなしていたようです(明治16年に矢倉沢村から出された「官林払下げ願」による。)

跡地の多くは、今はスギ、ヒノキの人工林ですが、明神の北面には、今もこの名残のようなブナとシデの混じる林が見られます。その一つの若木林を定点観測地にして、今後の変化を追って行きたいと思います。(生物多様性基本法-H20年公布-は、国と地方公共団体に「地域の生物の多様性の保全」や「調査等の推進」などの基本施策を求めています。この趣旨に沿って、市有地の調査を市と協同で進めよう。)

11月4日(土)、9時、南足柄市役所前集合、(行先は桧山林道を車で小1時間、急登小1時間の所)

希望者は、10月28日(土)までに佐々木まで (ブナ林調査の計画書を説明し、当日の準備や作業の分担を相談したいと思いますので、よろしく、お願い致します)。

3.弘西寺の小さな竹林で若者たちと整備作業と交流会 11月23日(木・休)10時~

 東海大学教養学部人間環境学科自然環境課程の藤吉正明先生と10名ほどのゼミ3年生が、昨年に続き

竹林整備作業(竹の間引き、伐った竹の利用)の後、豚汁で昼食、交流会の予定。ブロックを活用して竈を作り、若者と年増で、話し合える機会にしましょう!